イケメン営業マンに心を奪われて一般職と対立してしまうのは、パートとして失格。だいたい、不動産屋の女子社員は気が強いものなのです。気に食わないと首をかき切られます。『パート
管理簿』と書かれた謎のファイルをこれ見よがしに出し入れしているのを見かけたら、『これって一種のパワハラじゃないの?』などと言わず、『いつも
管理のお手数をかけて恐縮です』って顔をしなくてはなりません。店長や営業マンと一緒に
姫君 を立てるのも仕事のうち。
若くてかわいらしい姫君を立てるのは簡単です。オバサン、横に居るだけで自動的にお姫様が引き立ちますから(悲)。『今朝、コレと全く同じお弁当をパパの弁当箱に詰めてあげたら、感動して千円くれたんですぅ。』なんてかわいらしいことをおっしゃるので、ただ素直に誉めると良いです。『こんなかわいいお嬢さんの手作り弁当を食べられるパパさんって幸せですね^^』
お世辞でかわいらしいと言うとイヤミだと思われてしまうようになってしまった姫君を立てるのには、高度なテクニックを求められます。横に居ては申し訳ない…なんて気遣いをしたことがバレては大変です。ごくごく自然体で!相手は正社員で、キャリアも長く、親と同居したり結婚したり一人暮らしになってみたりと人生経験も豊富。十分に『勝ち』なのに、まだ勝負を挑まれます。
安い時給でほんの少しの時間だけ働かせて頂いている主婦というのが、パートさんの本質です。なのに、勝気なお姫様は主婦的な分野でも勝ちたいようです。『私、意外に料理凝ってるのよね。』フルタイムで働いたこともあるからわかりますよ。本気で働いていたらそんなに料理に凝れません。『お仕事と同様、台所でもいい仕事なさってそうですよね♪』とりあえず肯定だけ。
痛々しくて気の毒なので、そっちの話題は広げないようにしているのに、まだ勝負して来られました。聞いてないのに主張。『最近私がよく作るのがね…』煮込むだけでも1時間勝負の大作。相当残業しているのにそんなもの作って、いつになったらご飯にありつけるのでしょう?『すごいですね!私はそんな立派な物、作ったことありません。』全面的に私の負けですってば。
『主婦よりも主婦らしいことが出来る』姫君が、お財布の中で行方不明になった何かをお探し遊ばした時です。ぽっかぽか弁当、満腹亭、吉田屋…。一人暮らし男性御用達イメージの高い店名ばかり。どんどん掻き出されるレシートは、決して見てはならないものでした。そこに気付いていないフリをしながらさりげなくその場を去る…高度なテクニックを使わせて頂きました。
コレは超簡単!右か左、好きな方をただ押すだけ♪