一芸に秀でるというのはとても素晴らしいことと思います。人並みはずれた集中力と努力の結果によって、特定の分野についての造詣が深い人のことを、『マニア』と呼ぶことがございますよね。残念ながら、不動産屋さんが『マニア』という言葉を使う時は、尊敬の念を込めません。
敷居が低いというか、何と言うか。不動産って業者じゃなくても楽しめるじゃないですか。週末の新聞折込チラシで様々な間取り図を見ながら、『ここにアレ置いて、こっちにコレ置いて…』って空想すると、楽しいひとときを過ごせます。自宅周辺の物件の相場の動向をプロ並みに把握するような方もおられるので、数字を追いかけるという楽しみ方もあるのでしょう。
自宅で大人しくして下さる分には構いませんが、現実に出くわす方にちょっと困ることがございます。図面を見るだけよりも現物を見る方が楽しいに決まっています。チラシには、『オープンハウス開催』って文字の躍る物件も混ざっており、それをハシゴして見て回るのを週末のイベントとして取り入れている方がおられます。楽しいに決まっているので、その数は多いです。
特に冬場は、ご来場が1組もなければ営業マンは寂しい思いをするそうです。なので、冷やかしでも見に来て下さるのは大歓迎!ただ、全く買う気がないのに買うフリをしてローンの計算をさせてみたり、商談を入れてみたりする困ったお客様もおられます。そういう方々を、『マニア』と呼びます。同業他社さんとも仲良くする業界ですので、同じエリアに頻発するマニアについての情報はみんなで共有しています。『マニアの○○さん』が、隠れ有名人になっています。
オープン待機の営業マンたちに何を言われるかわからないので、私はつとめて『良い来場客』で居ます。気を持たせるようなことは一切言わず、最初に宣言します。『全然買い急いでませんが、中に入って見てみたかったんです。』がっついて、『年収いくらか教えて下さい!』って言われる確率は1%未満。『だから、私はマニアじゃないの♪』自社の営業マンに言ってみましたが、『顔を覚えられている段階でマニアじゃないの?』って言われました。プライベートで顔見知りになった業者さんが居るのは確かですが…私のこと、『マニアの不動』って呼んでらっしゃるの?

次は御社の物件でお会いするかも知れませんね♪