お電話で、『新しい謄本、ファックスちょうだいね。』って言われて、『事件中だから当分無理ですよ。』ってお答えしたことがございました。『別に事件なんか何も起こってないけどなぁ。』…そうですよね、普通はそう思いますよね。『あっ、そのっ、そういう事件じゃなくて…』と、慌ててご説明しかけたところ、『今すぐが無理ならいいや。』って通話が終わってしまいました。
謄本を読める方には知って頂きたいことではございました。社外の方に、『事件中』という言葉を使ってはいけないということを私も学習いたしました。不動産もしくは会社の謄本を、誰でも、法務局に余裕のある時間なら代金を支払って取得出来ます(16時57分に今すぐ欲しいって窓口で言うと厳しいかも)。郵送請求もできます。対応している管轄のものならインターネット回線で取得できます。その場合は、正確には謄本とは呼べませんが、書かれた内容は同じです。
不動産にとっての大事件って、抵当権の実行?人命を重視すると、所有者様の相続?商業登記にとっての大事件は…手間を考えると会社の合併?色んな事件があると思いますが、小さなものでも事件です。登記名義人様のお住まいの住居表示実施であっても、会社の役員が重任した場合であっても。登記事項に変更があれば、登記申請されるはずで、申請された登記が法務局で処理されて書きこまれるまでの期間のことを、『事件中』と言います。
内容の割に呼び方がオーバーなこともございますが、そう言われれば、謄本は取得出来ません。『ちょっとだけ見せて』って言ってもダメ。法律上、申請された登記は速やかに実行されなくてはならないことになっているので、申請した時と実行された時の間に時間があってはならないはずなのです。だから、あってはならない時間に発行された謄本は存在してはいけないというお約束。『事件中なら仕方ないですね。来週また出直します。』って諦めれば良いお話です。
(1)事件中なんて変な呼び方するのはなぜ?
(2)(呼び方や由来はさておき、)事件中だと何がまずいの?
…という関連質問向けの回答文を遅ればせながら作りました。
なぜ『事件中』なのかよろしければ、合わせてご覧くださいませ。

毎度お手数おかけしますが、よろしくお願いします。