田舎に住んでみた経験上、『都会に慣れた人は来ない方がいい』って言い切りたいですが、図書館は悪くなかったです。地価が高くないせい?建築費用は関係ないと思いますが、公立の立派な建物が農地のど真ん中みたいな所に点在していました。その中の一つが図書館で、都会と違って無料で停め放題の駐車場がありますし(車以外の手段で来られる人、ほとんど居ないと思われますが)、ゆったり閲覧できる環境も良かったです。新聞の書評で紹介された本が全然入って来ないのは、市の予算が色んな建物を建てるのでいっぱいいっぱいなせい?若年層なんてほとんど住んでないのに、ライトノベルの最新刊が発行後1カ月程度で楽々借りられるなど、不思議なラインナップでした。
都会でも田舎でも自治会長をした経験がありますが、全く別物という感じです。都会は住民モラルが良ければ楽だったはずですし、区役所の対応に立腹するようなことは一度もありませんでした。田舎に住むと、数時間前の会話の内容を覚えていられる程度の記憶力を持たない方も多いですし、ほとんどの人が徐々に身体も丈夫でなくなってきますから、勤労世代が自治会長になる確率は高いです。なったらなったで役場から仕事の下請け依頼の手紙が週1以上のペースで届きます。役場に限らず、都会でアルバイトしたらすぐクビになりそうなクオリティーの仕事しかしない方が多い地方で、『だいぶオカシイと思いますけど、内容ちゃんと確認されました?』って役場の営業時間中に問い合わせ電話しなくちゃいけないこともしばしば。人材が足りてなさそうです。
広くてきれいな図書館でも人材が足りてなさそうでした。『無償で週5日~来て下さるボランティア複数名募集』ってポスターを見た時には驚きましたが、よっぽど図書館大好きな方っていらっしゃるものなんですね。『今日戻ってきた本です』って書いてある棚から本が溢れかえるという事態はなくなりました。番号100番違いの全然違うジャンルの本が雑に突っ込んであるのを頻繁に見るようになり、コンピューター上はあるはずの本が見当たらないから仕方なく(そこに居るのに)予約しておくことにしました。
多忙だった職員さんは館内での捜索を諦められたようで(仕事増やしてスミマセン)、全国の図書館から同じタイトルの本を取り寄せて下さったものを借りることが出来ました。オンライン予約だと館内の蔵書限定ですが、窓口の対面だと日本中の図書館の本を借りることが出来るみたいですし、そういう手続きをされたのでしょう。そのうち、『前後100番違いの棚にも見当たらないからネット予約』…ってことをしなくて済むようになりました。『司書の資格を有する方で図書館勤務経験者限定』っていう求人を出してすぐに嘱託で働いて下さる方を見つけられたようです。フルタイムで働くにしては月給が安すぎると思ったものですが、図書館大好きな方って多いんですね。不動産大好きだからって安い時給で一生懸命働くパートに言われたくなさそうですが、何か?