不動産屋さんで日本国憲法に詳しい方は多くありません。宅建試験にそれが出ないから、なのでしょうが、そのうち出題されるようになるのでしょうか?司法書士試験の受験科目にも加わりましたし(昔は無かったのです)。とは言え、うっすら意識しているのが憲法第14条(法の下の平等)。弊社で働きたいと仰る方を宗教を原因として不当に差別してはならないのです。今まではうっすら意識する程度で済んできましたが…。
地域特性かも知れませんが、キリスト教のある一派、仏教のある一派、が、『クセの強い宗教』…って認識されているエリアでの話です。勧誘活動に熱心すぎるという噂で、異教徒から見れば、『ちょっと付き合いにくいかな?』って思われているようです。多くの方は、『信者さんたちと接するのが平気』って思われているようですが、『すっごく苦手!』って仰る方も居るらしく、そうは言うものの、わりと人数も居るのでその悪口を言う訳にもいかず、避けてきた話題でした。その履歴書が来るまでは。
最終学歴から予想するに、クセが強いと言われる宗教の信者さんであるかも知れない、ということでした。その大学出身者を知らないからと黙々とネット検索したところ、『しつこく勧誘されるのが嫌だと言って既存の社員が退職してしまう』…というデメリットがあったとか。それただ一つを議題に会議を開いたとしたら憲法違反?なので、あくまで雑談という形で色んな意見を募ることにしたようです。
まず、探りたいのは、今まで大人しく過ごしていたけど実は私も信者です…って人が居ないのかのチェックでしょう。『お恥ずかしながら宗教には全く無頓着でして。』『御不幸があった時ぐらいしか仏教徒らしいことしてませんからねえ。』『ミッション系出身ですけど無宗教みたいなものです。』読むべき空気を察して、それぞれがほぼ無信仰告白を任意で行いました。この空気が醸し出されたことが既に憲法違反?
従業員全員の立ち位置をお互い察したところで、対策らしきものについての意見を出す時です。『面接の時にハッキリ聞いちゃえば?』←多分、アウト。『社内での宗教活動や政治活動は禁止してますよって念押しするとか?』←ギリギリ…アウト?『きっちり代休は取れますが、土日含めて指定日に必ず出勤して頂いたり、きっちり残業代は支払いますが、遅くまで残って頂く日が必ず発生することを御承知下さい。』←活動最優先の信者さんなら辞退するんじゃないかと期待。それなりに対策を検討しました。
結果、その履歴書を送ってきた方は不採用となりました。信条うんぬんの問題以前に、絶対にお客様の前に出せないような、どうしようもなく社会人失格のマナーだったそうで、面接開始後一分で結果が決まったのだとか。一分で落ちる程度の人が、人並みの履歴書なんて送って来ないで欲しいと切に願います。突然始まった踏み絵で、『今抜けたら疑われる…けど、今すっごく化粧室に行きたい!』って我慢したのが無駄になりました。今後は、この時色々提案した対策を講じるということで話を進めて、会議のような雑談のようなものは、面接でいい感じだった後で始めて頂きたいものです。