従業員が千人を超えるような会社が持っていがちな社宅。住むことによって受けるストレスについての住民側からの感想…は、大きな会社が全国にゴロゴロある以上、どこかで聞いたことあるでしょうから、ここでは触れません。不動産業界側からの意見のみ書かせて頂きます。
手持ちの広大な土地の売却先を探している場合、社宅建設を勧めることがあります。管理人さんを置く場合は新しいポストが出来るからリストラ対象者の人事に役立ちます(スケール小さい?)とか、一回建ててしまえば繁忙期の不動産屋さんを通さずに自社の中で人事異動に対応出来て仲介手数料の節約になります(ちりも積もれば?)とか、今は土地が底値だから買わないと損です(いつでも誰にでも言ってる?)とか、真面目そうな営業マンが説得しそうです。
従業員が社宅に住むメリットとは何か?聞いたことなくてもご存知でしょうが、念のため書きます。住宅費が格安になるシステム利用で貯金が出来る、転勤でバタバタする時の部屋探しは会社任せに出来る、サラリーマンに必要な協調性があることを福利厚生享受しながらアピールできる。…って所でしょう。これがあるから、まとまった土地が有るのに売却しづらくなりそうですが…上物そのままでいいから売って下さい♪そう言いたい時の代替案もございます。
客付けが得意な賃貸業者的な不動産会社の場合、急な話でも、条件がワガママでも、大切な従業員様のために良いお部屋を探して差し上げるのが得意です。人事異動で総務部(とか厚生部?)様ご自身も忙しい時に全国の支店で一斉に転勤があるから一時期だけ激務になってしまいますよね?餅は餅屋で繁忙期慣れしている不動産屋に全部お任せ頂ければ、従業員様と勝手に条件に合ったお部屋のご案内とかして決めておきますので、丸投げして下さい。
こうして借り上げ社宅という制度を利用することで、古い社宅を持っていた企業が、建物としての社宅を持たなくなっていくのではないかと思います。借り上げ社宅の場合、社宅ならではのストレスをほとんど感じずに、住宅費を援助されるというメリットがあって喜ばれそうなので。
手持ちの広大な土地は社宅建設地にいかが?って売って(売主として儲ける)、立地の良さが惜しまれる古い社宅跡地はマンションディベロッパーに売るように勧めて(売買仲介で儲ける)、ついでに借り上げ社宅の世話します(賃貸仲介で儲ける)…って全部うまく行けば、不動産会社としては助かると思うのですが。連鎖的に儲かる話、来ないかな~って妄想でした。