『どうせ自分が寝泊まりする訳じゃないし、設備のクオリティー低いにせよ、雨風しのげるんだから感謝してくれるよね!』って趣旨で建設されたイメージの賃貸用共同住宅に比べて、住み心地良さそうなイメージなのが、分譲マンションオーナーによる分譲貸し物件。おそらく自住用に購入されているため、マンション居住者の大半はオーナーさんでしょう。なので賃貸人募集件数がそもそも少ないはずで、更に、周辺の賃貸クオリティー建築物件の相場に比べてお家賃は高めになりがち。…なんですが、お値打ち価格の物件を見つけたので、借りてみました。もちろん、相当築古ですが、何か?
古いエレベーターなので動きが遅いですね。そして、お医者さんと看護師さんであったり、入浴介護道具一式持ち込んで来られる方々であったりが頻繁に乗り降りされるので、『遅刻だ遅刻だ~っ!』って感じでギリギリ行動される方には不向きでしょう。お会いする度に、『最近越してこられた方ですか?』って聞いてこられるお婆ちゃんには、毎回、『だいぶ前からお隣に住んでおります。』って答えなければなりません。相当昔に終の棲家として購入された居住者が多いのかも知れません。若い方は同じ家賃なら築浅アパートの方を選ばれるのか、夜泣きが聞こえてきたことがないのが取り柄かしら?昼も夜も、救急車が出動したらだいたいこのマンションで止まりますが。
もう救急車が横付けされたぐらいでは窓から覗き込まない程度に慣れ親しんだ頃、近所の方々から、『お願い』されました。お願いというより、念押しに近い?曰く、所有者か賃貸人かに関わりなく全住民強制加入になっている自治会の仕事をして欲しい、と。都会のマンションなら入居の挨拶に伺っても居留守を使う人も多いのに、田舎の人はそういうお話も、『ちょっと出て来て。』って呼び出してから切り出すようです。
田舎では、手渡しの回覧板が現役で活躍しています。ご年配の方への連絡はインターネットでなく書面及び口頭の二重の方法による方が親切でしょうけど…。『管理会社からのお知らせ』だけは集合ポストにポスティングして下さるので受け取るだけで楽ですが、何か?自治会の回覧板には、こんなことが書いてありました。『こんな時代なので、もういい加減、対面での定例会議でなくて、オンラインもしくは書面で済ませては如何でしょうか。』という案については、『規約に対面で会議することと明記されているため、それ以外の方法には出来ない。』と、回答しておきました。…私を認識して下さる住民の方々も、お考えは保守的みたいです。懲りずに、『こんな時代なので~中略~規約の変更を提案します。』って出されたら、口角泡を飛ばして議論しそうです。
渋々対面で続けられているらしい自治会内部の定例会議のほか、更に範囲を拡大した地域の会合が毎月(もちろん対面密集で)行われているそうです。広い田舎なので、結構遠くで…。要介護状態の方及び介護をしておられる方には出来ませんね。規約とやらでは、その2ケースのみが免除要件らしいです(それが多そうですが)。子供会やらPTAやらの役があるから出来ないという方は居ないように見えますが。欠格要件に当てはまらない方は去年一昨年担当したとか、所有者のみで構成される理事会で忙しいとかで、実際は兼任していないようです。『だから、賃貸の方に自治会の方を任せるケースが多いんです!何度も実績があります。』面倒くさい集落に来ちゃったなぁ…。
『不動さん、会社員じゃないんでしょ?』ああ、口に出して言う時が本当に来るとは…。『不動産屋のパートですが、何か?』『じゃあ、出来るわ。社員じゃなくて、パートだもん。』このご時世に、ペシペシ肩に強め接触されました。パートの数少ないメリットは、『面倒くさい不動産屋に来ちゃったなぁ…』って思い始めてからのフットワークの軽さです。いきなり田舎の不動産を買う前に、まずは自治会役員当選確率の高くなる賃貸人という立場でお試しになるのは、本当にお勧めです。空室ございます!