通常は『怖い』、ご機嫌斜めの際には『とっても怖い』…というお局様がおられました。相手をよく知らないうちから攻撃的になるなんて勇気ある人だなぁという点ではある意味尊敬しておりますが、臆病者の自分が同じようになりたいとは思えません。
色んな決済が重なって多忙な日だったこともあるけど、おそらく月に一度のレディース・デーと重なったとかで、まだどなたも何もやらかしてないというのに、お局様の機嫌が悪くなっていました。こんな日に何かやらかすと怒鳴られるに決まってる!?極力目立たないようにしたかったのですが、営業マンの持ってきた現金を複数名で数えたいからって指名されてしまいました。怖くない日でも緊張する仕事なのに嫌だなぁ…。
『間違いありませんでしたが、念のためご確認下さい。』イライラされているから極力お待たせしないように急いだつもり、尚且つ、大事なことなので慎重にしたつもり。空調管理された室内とは言え、目視できそうなぐらい汗をかいているという自覚がありました(あ、紙幣が臭くなるかも…)。札束をつかんだ時の、『フン!』は、空耳だったのでしょうか?最初の声のボリュームは小さいと感じました。私が数えた紙幣を数枚めくり始めて、いきなり怒鳴られました。『不動さん、この忙しいのに天地まで揃えた訳じゃないでしょうね?!』『ええっ?私は別に何も…そのままです…そのまま。』
パラパラパラ…めくられた紙幣の最後の二枚だけ、天地が逆になっていて、思わず安堵の溜息が出てしまいました。いえ、最後の二枚だけ逆さまだなぁって思いながら数えたから、存じ上げてましたけどね。私は自宅保管用の紙幣は全部天地も揃えておりますし、この不動産屋さんに来るまでは、現金に触れる場合は極力向きを揃え直したがる事務員でした。今回は無駄に怒鳴られてしまいましたが、以後、会社ではどんなに忙しくても紙幣の上の方をわざわざ逆さまにし直しておく癖がつきました。金運アップのおまじないで、紙幣は天地も揃える方がお金が逃げ出さないって俗に言われますが、何か?