不動産屋さんの繁忙期も落ち着いてきた頃ですね、皆さまお疲れ様です。お住み替えの皆さまは今が一番多忙でしょう、体調を崩されませんように…いい人アピールしておきました!春になると、『忙しいなぁ!』って思うことが多いのですが、同時に思い出すエピソードがございます。テーマである『温度差』よりも、いい人そうに見える記事タイトルとさせて頂きました。
パートを複数名同時募集されている不動産会社では、希望の配属先を聞いて頂けることがあり、その時は迷わず、『極力お客様と話さなくて済む場所』に入りたがります。カウンターで待機していると、通行人に道を聞かれたり色々ございますが(余裕の対応)、時々、『絶対にいいお客さん!』って雰囲気(だいたい当たる)の方が来店すると、『いい人そうオーラ』『怖くなさそうオーラ』『頼れそうオーラ』という、普段全然出さない空気のようなものを数種類同時に醸し出しながら、奥で待機する営業マンに繋げないといけなくて、メインの業務が苦手で疲れます。
カウンターからは見えない場所での出来事ですが、『頑張って四年制大学を卒業したのに希望の職種である事務系で就職出来なかったよー!』っていうお嬢さんがコネで入社してきたことがございました。エクセル入力の仕方から教えてきましたが、本当に事務に向いてないなぁと思いつつ、カウンターにも出せないし…。アウトな電話対応やら、データ破壊やら、色々やらかされたのをお人よしのフリをしてにこやかに後始末するのに苦労しました(主にメンタル面)。
やっと、忙しい時に何か簡単なことを頼めるレベルの人材力が身に付いた頃、『もっといい所(←軽く失礼)に就職するために大学院に進学したくなったから』…という理由で、退職したいと言われました。社内一丸となって、そういう理由なら仕方ないですねーってお引止めもなく、トントン拍子で最終出勤日も決まりました。お人よし会社らしく花束を用意したり、最終日まで、『私いい人ですから、ちっとも迷惑だなんて思いませんでした』っぽい雰囲気を貫きました。
最後の最後に、お嬢さんがたいそう感動しながら、『不動さーん、今まで本当にありがとうございましたー!!』って言って下さいましたが、その時私は、ひどくショックを受けていました。その感動に全然共感していないし、『なんかデータおかしいんですけど?』って社員さんがコッソリ言ってくることがこの先激減するであろうことに安堵しているし、それを隠しながら、『私も名残惜しいです』って顔を作っている自分に嫌気がさしました。お嬢さんの感動と社内に残る人たちの本音の温度差、演技する私と私自身の本音の温度差。嘘をつくような後ろめたさ。
私が全然いい人じゃないからこそ、いい人のフリが疲れるのか?私が特別、演技をすると疲れやすい体質なのか?矢面に立つ社員さんの背中に、心の中で手を合わせながら、『いい人のフリなんて重労働をして頂いて、ありがとうございます。』って感謝しています。もうカウンターの奥に居ながら演技なんてしたくありませんし、お嬢さんのご希望通りの就職をどっかしらの他社で遂げて頂きたく、健闘を祈り続けております。ブログをご覧いただいている皆様には、花冷えの折、夜桜を見ながら冷たいビールなんて飲んで風邪などひかれませんようにお祈り申し上げます。…って部分まで、嘘っぽく見えたら更にショックですけど、本当にご自愛下さいませ。