トウが立った女性より若い子が好きです。…って言ってしまうとオジサンみたいに聞こえそうですが。別に下心は無いけど、若い子の方がいいでしょう?
お恥ずかしながら、親から買い与えられた楽器を売り飛ばしてしまったことがございまして(親不孝過ぎるわと自分でも思いました)、小銭が貯まってから似た楽器を代わりに買って使うことにしました。粘り強く探した結果、売れた価格の1割の値段で買えました(親がいいもの買ってくれてたのに、安物で妥協できる程度の耳でした)。不動産に例えると、1億のマンションに住んでいた人がお金に困って売却してから賃貸住宅でコツコツ貯めて1,000万で手狭だけど底地所有権の中古マンションを買ったような状態です(そこまで数字大きくありませんが、何か?)。
私にとってはとても良い話で、自然とニコニコ顔がほころんでしまいます。若い子は、『素敵!また楽器を楽しめる生活になるんですね!!』って、一緒に喜んでくれました。別に幸も不幸も自慢していないつもりだったけど不幸自慢仲間だと思ってくれていたらしい女性(フキノトウという仮名を思いついたけど、登場人物の全員に名前つけなくてもいい?)は、『でも、どうせ古い中古品でしょ!』と、何だか否定から入ってきます。目の前でニコニコしているのが面白くなかったのでしょう。『はい、とっても古くて、物品税証紙付きなんですよww(=日本で消費税制度が導入される前の時代物)』自虐っぽく言うと、大笑いしてもらえました。
人生の挫折を知らないから他人の幸せを素直に喜べるという若さを妬む人も居るのでしょうが、どこまで落ちぶれてもそういう嫉妬をする人間にはなりたくないと思っている時点で私はフキノトウ(せっかく付けた仮名なので使用)の仲間では無いつもりです。なので、『実は…今度結婚することになりました!』って若い子に報告された時は自分のことのように嬉しく思いました。私の『おめでとう!それ聞けて私も嬉しいわ!!』が真意だと伝わったらしく、結婚準備のアレコレ相談なのかノロケなのか、私には色々報告してくれます。将来に明るい光だけが見えているんだな…と思うと同時に、その彼と明るい光に照らされ続けて欲しいと願いました。

(c) .foto project『見て下さい!今度買おうと思っている家の内覧写真なんです!』でっかいわ!!豪華過ぎるし。『実は私たち二番手だったんですけど、一番手さんがローン否決されたから、今チャンスなんです♪』『え…あ…御伽噺に出てくる御殿みたいに素敵なおうち…ね。』彼氏さんの職業とか聞いてますし、『不相応』って三文字が浮かびましたが、そんな失礼なこと言えません。『今週の水曜も彼氏と一緒に銀行いっぱい回るつもりです!二人共カード全部解約しましたし、私には車のローン以外の借金ありません。彼氏が連帯保証人になってる実家の借金の問題以外は全部大丈夫だから、どこか貸してくれるはずなんです♪』やはり、『無理し過ぎ』って五文字が浮かびましたが、幸せな夢を見ている彼女を揺さぶり起こす役目は私ではないはずで…。
デキちゃってない結婚なのに広すぎる家を買って、そのローン返済のため遅くまで二人とも無人の家の外で働きまくる生活…明るいですか?御殿に住めたら誰でも幸せって訳でもないし、本当に好きな者同士だと少々家がボロいぐらいは愛の障害にはならないはずですが…ダメ?ご本人には燦然と輝く明るい光しか見えてないらしい道に、私は暗い影を見ました。もっとこじんまりとした部屋で行灯程度のささやかな光に灯されているだけでも幸せな新婚生活には違いないでしょうに。いいえ、心配はいらない。思い直しました。きっとどこも貸してくれないでしょう。『いい銀行が見つかると住めるってことですか?素敵ですね^^』大人の対応をしました。
後日、『いい報告です!●●銀行が貸してくれることになりました♪』って言われた直後の私の顔を見た彼女は、『結局不動さんもフキノトウ側の人間か…』って顔をしていました。仮に嫌われてでも考え直すよう説得するような勇気の無い私は、フキノトウ側に居るようなものですね。しばらく変な空気になってしまいましたが、新品の豪華家具を買う余裕が無いということに気付いたらしく、『●○町では中古ながら状態のいい家具が売られてる。』とか、『○●町のアウトレットに見た目も価格もいいのが揃ってる。』とか、私の発信する節約情報を頼ってきてもらえる程度に復旧しました。一番大切なのは私との関係ではなく、お二人の将来とは思いますが…。