ある朝、上司に声をかけられました。『不動さん、身内も含めて社外の人から仕事の内容を聞かれた場合なんだけど…』『^^まず、聞かれることはございませんが。』『仮に今後聞かれた場合だけど…』『いつでもどこでも誰にでも、不動産屋で一日中チラシ刷ってまーす!って答えることにしております。』『いや、弊社が毎日チラシばら撒いてるなんて誰も信じないでしょ?』そもそも誰も私が何してるかなんて興味ない…『いい?弊社の特徴はこうだから、不動さんは、こういう資料を集めてる。いいね?』口答えすると終わらなさそうなので、了承しておきました。
弊社の特徴がこう…って説明だと、不動産業界の中にはこういう会社もあって…って説明が必要になるじゃないですか。社外の知人に業界に興味持ってる人が少ないのです。親戚にすら、『何だっけ、ほら、職場で有線放送聴けるとか言ってた…ウェイトレスのバイト?』と、何度も聞かれます。毎回答えても、質問内容に興味がなかったのか、毎回忘れられているみたいです。
上司は私又は自社のことを誤解していて、世間の皆さんが社内の業務に深い関心があると思い込んでおられるようです。そこでパートを始めるという立場なら業務内容を真剣に教えて欲しいと思うでしょうけど、社外の人が興味を抱くはずございません。通勤電車で立ったまますっぴんからフルメイクに仕上げていく仰天OLさんが居て、毎朝乗り合わせる車内のみんなは彼女の二つの顔をよく覚えてるはずですが、私は目立った言動を取らない地味な一般人なのです。
上司が突然そんなことを言い出した理由を考えてみると、前の晩のボウリング大会が怪しいと気付きました。『プロボウラー』で画像検索すると、正面から撮影された写真がたくさん出てきますけど、素人が投球している姿を正面から見る機会は無いはずです。魔の三角地帯が垣間見えることも無さそう。なので、プロ並みのスカート丈で参加しました。なぜか色んな社員さんから、『うそっ!ミニスカートでボウリングするの?』って聞かれました。ストライクを一度も出せずにたくさん投げたけど、投球する私を真正面から見る社員さんは確かにおりませんでした。
きっと画像検索し過ぎな上司が、私をバカだと思ったので翌朝慌てて言いに来たのでしょう。失礼しちゃう!けど、このボウリング大会は参加して正解でした。優勝したのはストライクをいっぱい出した営業マンでしたが、彼は私にパートの日給二日分ぐらいのお小遣いをくれました。『ミニスカートで一生懸命頑張ってくれた不動さんの後ろ姿に心打たれたから、参加賞をあげたい!』って。地味な一般人でもコツコツ頑張ってみるものです。…ミニスカートの後ろ姿って?!