不動産屋さんのコワモテを怖いと思わなくなりましたが、顔に慣れただけで私はまだ業務に慣れていないのかも知れません。考え方が…素人なんですよね。営業マンなら常識としてご存知と思いますが、『まず、隣地所有者に売ってみる』。これが未だに受け入れられないようです。
老朽化した二戸一軒住宅の片側とか、媒介を頂いてから丁寧な図面をパートが作らせて頂く前に契約予定になっていた…なんて話はよくあるものです。その土地を欲しそうな人が見えるのですから、購入を持ちかけるのは当たり前。不思議なたなぼた案件ってのがございまして、『コッソリ隣地を買いたい』ってお客様が飛び込みで来られました。
物元業者 さんに、『名乗りたくないらしいお客さんですが、どうしてもその土地を買いたい事情がおありだそうで…』と、曖昧な
物件確認 をいたしました。それはそうと、この物元さんは何故、隣地所有者にお声掛けしていなかったのでしょう?
職場でそんな事例をいくつも見てきたので、『隣地所有者は買ってくれがち』っていう常識も理解していたはずです。でも、『買ってくれた理由は理解できるけど納得できない』って思ってしまう私は、まだまだ素人感覚なのかな、と。共に便利な街で育った友達と話していて思いました。まず私が空気の良い町を目指して北上し、友達は誘惑に釣られて南下し、お互いに離れ離れになっていましたが、お互いの祖父母(田舎のおばあちゃんでなくて、都会のおばあちゃん)が住んでいることもあって、よく戻ってくるのです。『街の顔ぶれもちょっと変わったよね。そうそう、知ってる?』
古かった家はそろそろ建替える時期。誰それの住んでた家は解体されて違う人が住んでいる的な噂話のあと、『理解できるけど納得できない』という話を持ち出しました。『独立した子供が家庭を持ったので家を建てたがっている』っていう事情は理解できるし、『実家が近いと嬉しい』って気持ちも理解できます。それが隣地なら最高でしょう。ただ…。『あんなことがあった土地なのに…。』
でも、隣地が最高の立地という事実は変わらないし?私は片方の実家に近過ぎる所に住むと角が立つと思っているので実家の隣地に家を建てたいとは思わないでしょう。片方の実家だけ便利な街に有れば角も立たないのでしょうか?兎にも角にも、更地渡しにすると言えば隣地所有者が買ってくれがちということは理解できました。じゃあ、角家よりも隣地の多い、真ん中の家の方が価値が高いの?素人感覚を捨てられない不動産屋のパートには、わからないことがまだまだございます。