高卒で上等、時々学歴不問とまで書いて求人されているのが不動産屋さんの営業マン。私の勤務経験で悟ったその実態は…本当に学歴不問です。高学歴だから偉いなんてルールは見ませんし、年功序列すら有りません。年下高卒の営業マンに、『おいっ!』って大卒のパートが呼びつけられることもよく有ります。いいんです、よく稼いで会社を儲けさせてくれる営業マンですから。
教育熱心な家庭で育っていたなら高学歴になったかも知れない営業マン、若いうちは持って生まれた賢さを女の子をいかに効率よく口説くかということに集中して使われてきたようです。『合コンで一番かわいい子を持ち帰るコツ?序盤はどんなブスが混じっていようと女の子全員に優しく気遣う。中盤は…(以下略)。』営業が上手くいくと全国で何位とか言われて表彰されることに喜びを見出し、稼ぎまくるようになったそうです。※全然イケメンじゃないけどモテてらっしゃいます。
ちょっとオバカに見える三枚目で明るい感じが客層の好みにマッチしていたのだと思いますが、彼は一歩踏み出して別なステージに上がってみたくなったようです。書き置きにやたら変な言葉が混じってくるようになりました。全然無くてもいいタイミングで、文末あたりに『敬具』って単語がソロで入ってくるんですよ。取引先から来る文章に良く使われてるから使ってみようと思った…のかな?
『拝啓』抜きの『敬具』と同様、彼の立ち位置って中途半端だと思うんですよね。必要以上にパートから中途半端な長さの書き置きを連投し、都度、『前略~草々』を入れておきました。最近特に漢字に興味持っておられるようだから、辞書とか使って調べてみるのではないかと期待して。効果はすぐに現れ、書き置きが『拝啓』と『敬具』の間に挟まるスタイルに落ち着いたので、パートによる書き置き教育は終了しました。『国語が得意だった私が日本語の書き方を教えてやりましょう。』って言うとヘソを曲げそうなので気を遣いました。教育されていたという自覚は有ったようで…。
『不動さん、アレ何て言うんだっけ?四角定規…違う!』『三角定規とか
三角スケール のことですか?』『お店に有る定規の話じゃなくて、定規みたいな悪い状態を例える言い回しで…。』『……。もしかして、杓子定規のことですか?』その時に私の頭に浮かんだのは杓子ではなくて、陸上競技場。トラックの内側寄りってスタート位置が後ろの方に有って損しているように見えるでしょう?おバカで明るい若造イメージから渋い漢字多用キャラへの転身は、最初のうちは損しているように見えそうです。でもきっと成し遂げられます。プライドを傷つけない形で今後も協力させて頂きますね!