勉強するのに慣れていて成績優秀だった方にとっては宅建合格のための勉強は楽しいばかりで苦労のない作業だったと思います。不動産屋の営業マンの中には該当しない方もおられるでしょうけど、無いと不便でしょうから苦手な作業でも仕事と割り切って合格して頂きたいです。『もともと俺って勉強嫌いだし…』って思い込まずに、業務上必要な作業だと割り切ると良いと思います(
未経験から始める不動産業さまのブログ記事 の請け売りです)。
アッサリ受かる人が居るのに自分は長時間を要するということがわかって嫌になることもあると思いますが、日本語を理解できて不動産業に興味があるのなら、時間確保やテキスト選び等の条件を揃えれば合格できる試験です。なるべく効率よく受かって頂けると嬉しいです。
不動産絡みの試験で、安易に誰でも時間かけて努力すれば合格するって言えない物もあります。パートの私は簡単な事務処理能力以上のことを求められませんでしたが、社員なら当然受かってよねってプレッシャーのある部署で働いていたことがあります。高い知性のほか体力が必要な試験で、日本全国どこでも受験会場が有る訳でもないのに試験を受けるのに3日かかるのだそうです。自宅の遠い受験生は近隣のビジネスホテルに滞在してコンビニ弁当とか食べながら連日解答を書く…って大変そうでしょ?そこで病んでいかれるのを見ました。
その社員さんを見ながら、友達のトラウマのお話を思い出しました。もともと明るくはない友達が、いつになく暗い顔でブツブツ言うのです。『受からなきゃ、でも受からない。受からなきゃ、でも受からない。』なんだその呪いのようなセリフは?『横でブツブツ言われ続けたら読んでる文字が頭に入ってこないんだけど、何か?』『あっ、ごめん。でも、受からなきゃ…』
別な友達が言いました。『彼、危ないよ。』私もそう思う。『本当に危ないんだよ。俺の友達が司法試験の受験勉強中に自殺する直前の時の状況と全く同じだ。』え?!天才ではないけどおめでたいバカでもない彼は、受験日までの日数と詰め込める知識量を計算できて、今年の合格が不可能だということに気付いたのでしょう(残り3週間ぐらいでした)。ブツブツ言っても誰の得にもなりませんが、損得を計算できる精神状態でなくなってしまったようです。
受験直前に頑張るなって言うのもどうかとは思いつつ、『今年合格しなくちゃいけない訳ではないけど来年合格できたら嬉しいから一年ちょっと先の試験日に合格レベルに持っていけてることを目標にしたらいいんじゃない?』ってことを友達みんなで言って落ち着かせることに成功しました。翌年の試験終了後合格発表前に電話して、『合格することで得られるであろうことの小ささに比べてプレッシャーから解放される気分の爽快さがどれだけ大きいことか…』という説得をした甲斐あって、彼は受験勉強から足を洗いました。今も元気に働いています。
足を洗わせるというか資格学校から見たら足を引きずる行為ですが、効果があるのは相手が自分の言うことに耳を貸してくれる精神状態であるという条件が必要です。彼の場合はもともと私を怖れていて、私にクリームパン買って来いって命令されたら急いで購買部まで走って買って来なくちゃいけない存在だと思ってくれていたようなので、説得は難しくなかったです。
誰の目にも明らかにその年の合格も難しそうな社員さんの場合。その時も不合格なら異動は間違いないという追い込まれた状況で、パートの意見を聞くどころか、クレーム電話かけてきたお客さんにも逆ギレしまくるという精神状態に陥っていました。その後…。
『クレーム処理も何もかも、彼の仕事は全部自分が引き受けます。』って言って下さった社員さんのお陰で、試験が終わるまで出社しなくて良くなりました。優しい仲間の居る会社だと気付かれたのではないでしょうか。受験後は久しぶりに爽やかな笑顔を見せて下さいました。異動されてからもちょくちょく見かけますが、穏やかな表情をしておられます。
私の定義する、『まあまあの頭脳を持った定時退社できる20~30代』の場合。宅建合格に半年の勉強期間が必要でしょう。『まあまあより下の頭脳』とか、『時間とれない』とか、『昼食とったこと忘れてランチ食べに行くレベルの記憶力』とか、『今から初めて勉強する』とかの全部又は一部に該当する方の中には、今年の試験には間に合わない方もおられるでしょう。業務上必要なら、少なくとも来年には間に合うような計画を立てて今から実行していって欲しいと思います。