ブログ記事の予約投稿をしておくべきでした…後悔先に立たず。私は元気なままですが、他の用事を優先させてしまい、放置状態が続いて失礼しました。『本当は用事が有るのに来てやった!』って偉そうな顔をする程の偉業でもないという自覚もございますし…。『普段の私は忙しい人なのよ!』って態度も感じ悪いでしょう(常に忙しい態度の皆様に失礼な発言)?
オットリした雰囲気の不動産屋さんで働いていた頃の思い出話が場を和ますのに向いているかと思い、温和な店長さんには謎が多かったというエピソードを、『勤続数ヶ月のパートごときが到達できないレベルだった』…と、居ない人のことなのに褒めながら話を括ろうとしておりました。『店長さんは会話の中に魔法の呪文でも紛れこませていたのかしら?』同世代の色んな人に話してきて誰も魔法の仕掛けがわからなかったのに、突然謎が解けたのでご報告します。
その不動産屋さんで顧客名簿増量キャンペーンだったかしら、違う名前だった気もしますが、来客数を増やそうと頑張った時期がございました。『必須項目は連絡先と生年月日と氏名のみ。その他任意項目を含むアンケートに答えて下さったら(実に)ささやかな販促品をプレゼントします!』ってチラシを大量に撒いた甲斐あって、色んなお客様が来られました。
本音は居住用物件を買う予定の人だけ来て欲しかったものの、そうは書けません。2割ぐらいは一目瞭然、『販促品目当てなだけ』で、そういうお客様はパートが相手してチャッチャと渡す物を渡してさようなら。『お名前とご住所、電話番号に生年月日だけご記入頂ければ結構ですよ。』営業スマイルの中に疲れを見せないように気合いを入れて接客しましたが、『無職の独居未亡人もしくは60歳前後の夫と二人で賃貸暮らしの主婦、仮に借り入れなくてもローン無理かなぁ?』っぽい方が、名前すら書きたくないのに販促品だけ寄越せなどとおっしゃいました。
勝手に『すっぴんおばさん』と命名しておきますが、一人あたり3分ぐらいでさばいてきた私が『すっぴんおばさん』の対応にてこずっているので、見込み客を相手する社員さんにまで3分接客をして頂くことになりました。奥から出てきた店長が、『不動さん、悪いけどコレ頼まれていい?』と、簡単なお仕事と引き換えに開放して下さり(後光が差したように見えました)、『お客様、よろしければこちらの応接へどうぞ。』と、引き受けて下さいました。駄々っ子のような表情だった『髪ボサおばさん』は10分後、販促品を持って嬉しそうな顔をして出て行かれました。
『さっきはありがとうございました。ところで、何と言えばアンケート回答して頂けたのでしょう?』ストレートに店長さんに聞いても、『ふふふ、何が正解なんだろうね?ま、気にせず続けてね。また困ったら呼んでくれたらいいし♪』って、確答を避けられてしまいました。他の社員さんたちに聞いても、『店長は誰も出来ないことが出来る特別な人だから、不動さんはそこまで目指さなくてもいいんですよ。』…と、毎度ながら上昇志向というより安定志向寄りな回答です。
マジカル・トークの呪文とは?店長には『髪ボサおばさん』より高齢のご両親(店長のイメージからして、もっと小ざっぱりしてそう)がおられます。そして近視矯正不要という店長自身も若人とは呼びづらい年齢でした。こんなヒント無しでも簡単に見破れる日は誰にでも来るそうです。
『髪ボサおばさん』は3分でチャッチャと接客を済ませるパートと比べて相当老化が進行しておられたと思われます。個人差ございますが、徐々に『ルールなんて従う気がしない』…という思考に進化していくパターンの方のようです。なので、『したくない事はしないけど販促品だけもらう!』という発想に至ったようです。あと、老化を薄々自覚している方の多くは、そこまで老化していない者には老化を悟られたくないようです。お蔭様で、その後何年もの間、無知だとか思いやりがないとか思われ続けたことでしょう。若い世代にこそ周知したい情報ですが…。
アンケート用紙を作成する趣旨が、『これから住宅ローンを組めそうな方を集めたい』ってこともあったせいでしょうが、お名前の『フリガナ』を書いて頂く欄の『フリガナ』の文字は、老眼鏡を必要とする世代の方には小さ過ぎました。それ以外の文字も『髪ボサおばさん』にとっては小さ過ぎて読む気にならなかったのでしょう。そう言って下されば気の利かないパートだって読み上げることぐらい出来たものの、『髪ボサおばさん』は、『老化現象を知らない人に老化を悟られたくない』という原則に則り、『気の利かない女が私の目的(タダで販促品をもらって帰ること)を邪魔し続けているけど絶対に負けないぞ!』って頑固になっておられたようです。
察しの良い店長(魔法使いではない)は同時に気配りの出来る紳士であり、『このオバサン、老眼だから読めないんだよ。拡大鏡を出してちょうだい!』などと大声を出して私が『あーなるほど!』って顔を見せることで『若い女にドヤ顔された!畜生!』って思いをさせないようにしていたのでしょう。他人の目の届かない所で、小さな声で読み上げることでアンケート回答を促し、無難にお帰り頂けるように導いていたものと思われます。『あなた読めないでしょうから読み上げます!』…ではなく、『お料理している時に指を怪我されたのでしょう?代筆いたしますので口頭でお答え下さいね。』…ぐらいのセリフ、あの店長さんならスラスラ言えたと思います。
要するに、『中高年が読み書きを嫌がる時は老眼と察しつつ、気付きましたよという顔はせずに接客しましょう』…っていうのが手品のタネみたいなコツだったのですが。長い間ずっとそれがわからなかったのに突然、当時の店長の年齢に達しする前に(
気付いた)答えを聞いてな~んだ、と思ったのが嬉しくて嬉しくて、記事にしました。久しぶりの投稿が長文ですみません。
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